人工透析とは

腎臓と腎不全

腎臓は腰のやや上の腹部後方に、背骨をはさんで左右に一対ずつあり、そら豆に似た形をした握りこぶし大の臓器です。
腎不全は、何らかの原因により腎臓が本来の機能をはたせなくなった状態です。腎不全をひきおこす疾患に、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、腎孟腎炎、糖尿病、痛風などがあります。腎臓がほとんど働かなくなった時に行われる治療が透析です。

『腎臓の働き』

  • 老廃物の排泄→尿毒素や体内で不要になった重金属、薬剤、有害物質などを排泄します。
    【腎不全では尿が出なくなり、これらの物質が体にたまります】
  • 水分量の調節→尿の濃さや量を調節し、体内の水分量を一定に保っています。
    【腎不全では尿が出なくなり、体に水分がたまつていきます 】
  • 電解質の調節→ナトリウム、カリウム、カルシウム、クロ一ル、リン、重炭酸などの電解質の血液中の濃度を正常に保っています。
    【腎不全では電解質に過不足が生じ、生命維持に重大な影響を及ぼします】
  • 血液を弱アルカリ性に調整→血液を弱アルカリ性に保つために、アルカリ性物質(重炭酸)を作り、体にたまった酸性物質を中和しています。
    【腎不全では酸性物質がたまり血液が酸性に傾きます 】
  • 造血ホルモンの分泌→赤血球の生成は腎臓から分泌されるエリスロポエチンというホルモンが促しています。
    【腎不全ではエリスロポエチンが少なくなり、貧血になります】
  • ビ夕ミンDの活性化→ビ夕ミンDは腎臓で活性化されて、活性型ビ夕ミンDとなり、腸から血液中へのカルシウムの吸収を助けています。
    【腎不全ではこの働きが落ち、血液中のカルシウムが少なくなり骨がもろくなります】
  • 血圧の調節→血圧が下がり、腎血流量が減少すると、腎臓からレニンが分泌され、血圧を上げるようにします。
    【腎不全ではレニンが過剰に分泌され、高血圧になることがあります】
  • ・不要ホルモンの排泄→体にとって不要になったホルモンを分解、排泄しています。
    【腎不全では不要なホルモンの分解、排泄ができにくくなります】

人工透析の実際

一般に腎臓の機能が正常時の5~10%に下がった時に透析が開始されます。
腎臓は 1日24時間休みなく働いていますが、血液透析では 1週間に9~15時間 (1日あたり3~5時間)と短くなっています。

透析は腎臓の機能を代行する方法ですが、腎臓に比べて質的にも時間的にも全てを代行することはできません。そのため食事や水分を制限したり、薬の投与が必要になります。

透析治療は大まかに二つの方法があります。老廃物や水分の除去を行うために血液をい
ったん体外に出し、ダイアライザ一という半透膜を介して行なう血液透析と、自分自身の 腹膜を利用して行う腹膜透析です。

当院ではどちらの方法も対応しております。

血液透析

血管(シャント)に針を2本刺し、一方の血管から血液を体外に取り出して、透析装置の人工腎臓(ダイアライザ一)によって老廃物と水分を除き、もう一方の血管からきれいになった血液を体にもどします。

通常の血管では透析に必要なだけの血液量が少ないため、手術で腕の静脈と動脈をつなげ、静脈にたくさんの血液が流れるようにする(このようにつないだ血管を内シャントといいます)手術が必要です。

血液透析は週に 3回、 1回に 3~5時間位で、通院して行います。
食事・水分の厳重な制限が必要です。

腹膜透析

腹部にカテ一テルという管を入れ、腹膜を介して透析液を注入・排出することにより老廃物や水分の除去を行います。カテ一テルを埋め込むのに手術が必要です。

家庭や職場で 1日 3~4回、透析液の交換をおこなえば通院は月に1~2回程度ですみ ますが、管理は自分で行わなくてはなりません。透析液の交換には 1回につき30分~1時間程度かかります。

病状によりますが、一般に食事・水分制限は血液透析よりもやや緩いです。

透析室の紹介

透析室当院透析室はベッド数33床、綺麗で安全な透析室となっております。現在、外来透析及び入院透析患者様が透析をされています。慢性透析患者様のほとんどの方が水分の制限、食事の制限、運動など日常生活の自己管理の必要があります。
当院透析室では受け持ち看護制度を導入し、自己管理に対するアドバイスをわかりやすく、丁寧に説明いたしております。場合によっては管理栄養士に依頼して、食事指導や栄養指導も患者様だけではなく、家族の方も一緒に相談できるような体制も整えております。また臨床工学技士も常におりますので、機械トラブルにもすぐに対応でき、安全な透析を行うことができます。また患者様の、旅行や帰省による受け入れもいたしております。